オペラMetライブビューイング:ナブッコ

METLiveViewing2月4日新宿ピカデリー劇場にて。ヴェルディ作曲 オペラ「ナブッコ」ジェイムズ・レヴァイン指揮、ナブッコ:プラシド・ドミンゴ。ドミンゴ氏は76歳とのことですが、あの美しい力のあるテノールは変わらずですし、演技も素晴らしいと思いました。バビロニアの神を信奉するナブッコが、紆余曲折を経てヘブライの神エホバを信ずると言う話で、旧約聖書の中のエリヤのバール神対エホバのケースと似通っています。初期のキリスト教の世界では、異教の神々が次第にエホバに統一されていく経緯が旧約聖書に書かれているのでしょう。

さて、ナブッコは最終的にはエホバ信仰になるのですが、その経緯は次のようなことではないかと思います。ナブッコが奴隷に産ませた娘(姉)が、ナブッコの王座を奪って彼を幽閉し、ナブッコの本当の娘(妹)を、恋の恨みから死刑にしようとしました。その所業を見てナブッコはこの姉娘の神、つまりバビロニアの神は信ずるわけには行かないと思い、同志ととも決起して王座を取り返し、エホバを信奉することしたということのようです。

「行け 我が想いよ 金色の翼に乗って」ユーフラテス河畔に囚われの身になった人々が歌う、第二のイタリア国家と言われる合唱曲です。なぜそのように言われるようになったのか、ずっと理解できなかったのですが、今回このオペラを見てよくわかりました。当時イタリアはオーストリアに抑えつけられていて、誰もが相当苦しかったのですね。美しい歌で、とても戦いの歌の感じはありませんが、それだけに心の奥深くに苦しみを燃えたぎらせるものがあったのだと思います。そして、オペラの中で、それがじわっと伝わってきたような気がします。曲が終わると誰かが、立ち上がれ!と呼びかけ、すると人々は、そこ此処で立ち上がり始め、その勢いは途切れることなく続きます・・・・。感動的な場面でした。

ところで、2001年に ニューヨークのMETでプラシド・ドミンゴ指揮「ラボエーム」を見ました。彼は背が高く、ピットでは背中が大きく見えたこととか、客席の椅子の背の小さな窓に英語の字幕が流れ、それを目で追いつつ舞台を見たことしか覚えていないのですが、クラシックな演出だったので分かりやすい舞台だったと思います。また彼のオテロ、三大テノールの歌声などの記憶も、忘れられない素晴らしい思い出でです。

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